暗号は破られるものである?

 今日の話題は音声通信の暗号化の話なのですが、最近、無線LANで用いられるwepという暗号方法が破られやすいなんて話を聞きます。あとは、今後登場する性能の良いコンピュータ(量子コンピュータ等)の登場を考えると暗号の未来はあまり明るいものとはいえません。暗号化とその不正解読はいたちごっこなわけです。

 そこで、通信経路までも考えてしまうというのが今日のニュースです。マルチパスルーティングと呼ばれる機能です。インターネット上ではデータはパケットという小さいデータに分割されます。このデータをさまざまな経路で転送して、一地点でデータの傍受や暗号の解読が行われても他の経路をたどったデータが収集できずに完全なデータを受信できないようにするというものです。しかし、音声通信の場合、ひどい例で考えると、1秒間の間に0.1秒受信できる程度でも内容がわかってしまう場合があります。

 そこで、複数のさまざまな経路をたどったデータがなければ、暗号が解読できないようにすれば言い訳です。これが、秘密分散共有技術です。

 音声データというある意味で「欠損が大きくてもデータ朗詠のリスクが高いメディア」でのこのような試みは確かに大事だと思いました。

NECなど、盗聴困難なインターネット音声通信を開発--秘密分散共有を応用 - CNET Japan